どうも、こんばんは。
ドレッシングを買いに来たのに、焼肉のたれコーナーに招待された緒方です。
きっと壮絶な心理戦の末に、私がチョレギサラダを食べると読んだに違いありません。
専務「社長が入院したんだってさ」
先日、社長が急病で倒れ、緊急入院となりました。
緒方「…!どういうことですか?」
専務「社長の家系は心筋梗塞系の病気になりやすいみたい…。しかし、今年は色々あるなぁ」
最近、社長が少し元気ない様子だったので心配していたのですが、心臓に血栓が詰まり倒れたとのことです。
社長は御年75歳になりますが、まだまだ元気に第一線で活躍しておられます。
しかし裏を返せば、それほど元気なのに急にくる心筋梗塞系の病気はやはり恐ろしいものです。
そのため、本日は入院先の病院までお見舞いに行って来ました。
看護師「こんにちは。どなたの面会ですか?」
緒方「〇〇さんです」
看護師「〇〇さんとはどういった御関係でしょうか?」
緒方「えっと…(元)上司です」
看護師「〇〇さーん、上司の方がお見えになりましたよ!」
いや、逆です
緒方「社長、具合はいかがでしょうか?」
社長「おぉ!緒方君ー。わざわざ来てくれてありがとう。心配かけてすまないね」
思っていたより元気そうでホッとしました。
緒方「急に倒れられたと聞いて、驚きました」
社長「んんー。朝から日課のウェイトトレーニングした後に、カラオケで一曲歌おうとしたら調子悪くて。気が付いたら運ばれちゃった。わはは!」
社長はパワフルで、義理と人情に厚い方です。
曲がった事が大嫌いで、常に慈愛の心を持っている、私の理想とする経営者の姿です。
社長には本当にお世話になっており、よく社長宅で麻雀をしに遊びに行きました。
緒方「退院まではどれくらいかかるんですか?」
社長「カテーテルの手術がまだ残ってるけど、それが終わったら今月末には復帰できるよー」
本当に安心しました。
私が開業して、成功するところをぜひ社長に見届けていただきたいと常々思っています。
* * * ある日 * * *
社長「…そうか、緒方君は経営者になりたいんだね」
緒方「最後までお役に立てず、申し訳ありません…」
社長「いやいや、いいんだよ。若いうちに何でもやってみたらいい」
社長は少し複雑な表情でしたが、応援してくれていたことを覚えています。
緒方「…社長、経営者にとって一番必要なものって何でしょうか?」
社長はあっけらかんと答えました。
社長「そりゃぁ…最高のナンバー2だよ!わはは!」
社長はその人望から、誰からも好かれる人です。
一人で全てを抱え込むのではなく、人に頼ってもいいという社長らしい答えでした。
私はもともと、愛想のない人間でした。
しかし社長から色々学び、経営者たるものに必要な能力で、もっとも大切なものは「人望」だと気付かされました。
その人望はきっと、思いやりや人情で育まれるものだとわかり、私も社長を見習ってそうなりたいと思います。
弱った人がいたら助け、困った人がいたら手を差し伸べる。危険なタックルは指示しません。
よく、書籍で「嫌われる勇気」など見かけます。
「経営者は合理的で、数字をひたすら追うべき」「経営者は嫌われてなんぼ、それでこそ一流」だと言われていますが、
個人的には決してそんなことはないと思っています。
もし、嫌われる勇気がないのなら、私は二流の経営者でも構いません。
ですが、義理や人情を欠かしたら、経営者の前に人として大切なものを見失ってしまいます。
病室に飾られていた花々が、どことなくお辞儀をしていたように感じました。