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【ブログ】第40回 歯医者復活戦

どうも、こんばんは。

元気玉の練習をしていたら、指にトンボが止まった緒方です。もう秋ですね。

ご機嫌いかがですか?

 

 

「いいかい?歯が痛くなったらすぐに歯医者に来ること!約束だからね!」

 

あれから20年。

ついに歯が痛くなり、20年ぶりに歯医者を午前11時15分に予約しました。

歯医者は埼玉県の実家近くですが、男たるもの、20年前であろうと約束は必ず守ります。

 

その日の予定は、朝3時に浅草橋を出て、6時半から船橋のカインズホームで作業。

その後、8時までに浦安(現在の住まい)に到着すれば、3時間前だからシャワーを浴びる余裕ぐらいあるだろうと考えていました。

 

しかし、船橋法典駅周辺で渋滞…。9時に浦安に到着してしまいます。

そのまま急いで電車に乗り、地元に着いたのが11時。

地元駅から歯医者まで、歩いて20分ほど。急遽タクシーを使いました。

 

 

ちょうど11時15分に到着。ギリギリセーフでした。

 

「こんにちは。保険証を提出してください」

 

あ、保険証忘れた!

 

 

緒方「すいません、保険証を忘れてしまって…」

「わかりました。診察料は後日精算致しますので」

緒方「保険証無いといくらになりますか?」

「そうですね…6000円くらいですかねぇ」

 

まずい、タクシーに乗ったから現金が無い。

 

緒方「すいません、カード使えますか?」

「現金のみになってしまいますね」

緒方「そうですか。一番近いATMってこの辺だと、どこになりますか?」

「近くだと、農協ですね。歩いて20分ぐらいです」

 

 

そう。私の地元では、歩いて20分は近い方です。

歩いて20分だと車で3分なので、車移動前提の地元なのです。

 

 

緒方「んー、困ったなぁ。今タクシーで来てしまって、5000円しか無いんです」

「じゃあ、5000円までで出来る治療にしましょうか」

 

マグロの計り売りスタイル

 

緒方「わかりました。それではお願いします」

 

 

 

久しぶりの歯医者ですが、全く雰囲気は変わっていません。

 

私は、歯医者は嫌いではありませんでした。

ここの歯医者さんが名医だったからです。

あまり歯を削ることをしたがらず、利益度外視で、患者さんに対して怒ることも出来る先生です。

 

 

-20年前-

 

緒方「ダメだ、どうしても歯が痛い。助けて」

ある日、右の奥歯が物凄く痛くなったのですが、その日は休日だったため救急外来に連れて行ってもらいました。

 

「ここの歯ですか?わかりました。抜きますね」

 

そこでは大した診察もせず、何本も麻酔を打ち、すぐさま奥歯を抜かれました。

しかし治療が終わっても一向に改善しません。

そして次に連れて行かれたのが、この歯医者さんでした。

 

「あらまぁ、すごい腫れちゃってるねぇ」

 

雑に抜かれたため、膿がほっぺの内側に浸透してしまい、輪郭がナスのように膨れ上がっていました。

私が持って来た歯を見せると、歯医者さんは驚いていました。

 

「抜かれた歯はこれ?全然虫歯じゃ無いじゃん。関係無い歯を抜かれたね」

緒方「原因は歯じゃなかったんですか?」

 

「そう。これは歯茎が炎症を起こしてるんだよ。それと、このレントゲン見てごらん」

 

レントゲンを見て愕然としました。

 

 

「キミの場合、6番の下に歯が無いんだよ。抜かれた歯は永久歯だったんだね」

 

たしかに、乳歯にしては根元がしっかりしているなと思っていました。

だからあれほど麻酔を打っても痛みがあったのかと、疑問が解けました。

 

緒方「このままだと、どうなるんですか?」

「歯っていうのはお互いが支えあっているから、このまま成長すると7番が前の方に傾いてくるよ。噛み合わせが悪くなるね」

 

歯並びが良く無いと、いろいろなことに影響してくるようです。

 

 

「抜いた歯を使ってブリッジにする手もあるんだけど、他の歯を削らなきゃいけないから、オススメはしないね」

緒方「そうなんですか…」

 

しかし、私は歯の成長が人より遅かったのか、8番がまだ生えていませんでした。

 

「これから成長期に入るから、読めないんだよね。様子見たほうがいいかもよ?」

 

色々考えた末、そのままにすることにしました。

適切な治療で、歯茎の痛みはしっかりと治りました。

 

「いいかい?歯が痛くなったらすぐに歯医者に来ること!約束だからね!」

緒方「わかりました」

 


 

 

「はーい、こんにちは」

 

20年前と姿が全く変わっていない、島崎先生。一体おいくつなんだろう。

私のことはさすがに覚えていないか…。

 

緒方「左の方が、冷たいものを飲むと染みるみたいで」

「ふーん。あ、ここかな?でも見た感じ、これは虫歯じゃなさそうだけどね」

 

そう言うと、歯の診療を始めました。

 

 

「左じゃなくて、右の8番が虫歯になりかけてるね。でも、ここは下手に削ると取り返しつかなくなるよ」

緒方「右だったんですか?」

「そうだね。それと…」

 

先生は歯ブラシを取り出して、

 

「全体的に歯磨きが下手!ちゃんと磨けて無いよこれは。48時間以上経ってプラークが変色してる」

緒方「あ、ちょっと今まで仕事してて」

「そんなこと関係無いよ」

 

そう言うと、先生は私に歯磨きのレッスンを始めてくれました。

 

 

緒方「なるほど。こうやって磨けばよかったのか…。ありがとうございます」

 

「そう。ちゃんと出来るでしょ。この歯ブラシと歯磨き粉はあげるから持って行きな。

それと、今日は治療費はいらないから!歯磨きのやり方をしっかり覚えていくんだよ」

緒方「え。いや、お代は払います」

 

そう言うと、先生はおもむろにこう言いました。

 

「キミ、緒方君だろ。子供の頃に、永久歯抜かれた子!」

 

私のことを覚えていました。

 

 

緒方「覚えててくれたんですね。20年前に言われた通り、歯が痛くなったから来ました。浦安から」

 

そう言うと先生は照れ笑いしながら、

「いや、もっと近くの歯医者探しなよ」とだけ言い、席を立ちました。

 

「あぁ、8番生えたのか。歯並び整ってよかったねぇ。ブリッジしなくて正解だっただろ?」

 

先生が手にしていたのは、20年前の私の歯のレントゲン写真でした。

 

歯医者さんにも生活があるので、銀歯や追加の治療で利益を出したいはずです。

しかし、治療をした上で「金はいらない!」だなんて、私も一度は言ってみたいなぁと思いました。

 

『人のためになることを、見返りを求めずに行える』

これほど素晴らしいことはありません。

 

 

「お疲れ様でした。『診察』費3800円ですね」

 

そうきたか!